2024年(令和6年)2月議会 一般質問

2024年(令和6年)2月議会における一般質問と答弁の要旨を掲載します。

災害対策

地域防災計画の見直し/大規模災害時の市町村支援

能登半島地震を踏まえ、大規模災害時に市町村の初動対応が困難になることが想定される。現状の県による市町村への応援対応はどうなっているか。今後さらに検討すべき点は何か。

答弁

(知事)大規模災害時には小規模自治体ほど職員の被災・人員不足と業務急増により初動対応が困難になると認識している。そのため県は、本庁からの人的支援として災害時緊急支援要員制度を創設し、災害廃棄物処理支援要員や住家被害認定士リーダーの任命など、平時から支援体制を強化してきた。
今後は能登半島地震の対応を検証し、県内外からの応援職員を円滑に受け入れる体制や被災市町村を支援する方策を改めて検討し、防災計画を見直していく。あわせて、県職員を能登町へ派遣しており、現場で得られる知見を計画見直しに生かしていく。

避難所トイレ環境/トイレトレーラーの整備

避難所のトイレ環境悪化は感染症や災害関連死のリスクを高める。県内ではトイレトレーラー導入自治体がないと聞くが、今後の整備方針はどうするのか。

答弁

(危機管理監)避難所生活は心身の負担が大きいため、県は市町村と連携して環境改善を進める必要があると考えている。トイレ環境の悪化は体調悪化や災害関連死につながり得る重要課題であるため、市町村避難所運営マニュアル作成モデルに清掃手順等を示し、継続的な清掃・消毒を行うよう促している。
あわせて、2024年度当初予算案にトイレトレーラーの予算を計上しており、県と市町村の役割分担や平時・災害時の運用を踏まえて、避難所環境改善に資するトイレの整備方針を検討していく。

要配慮者の個別避難計画の策定状況

高齢者・障害者等の要配慮者の避難支援のため、個別避難計画の策定が重要である。県内の作成状況と、県としての取組状況はどうなっているか。

答弁

(福祉保健部長)要支援者名簿の作成に加え、避難先や避難方法を記載した個別避難計画の作成が重要であると考えている。県内では2023年3月時点で要支援者名簿に約5万人が登録され、そのうち約14%が個別避難計画を策定済みである。県としては毎年全市町村に作成状況のヒアリングを行い、土砂災害危険地域や洪水浸水想定区域など優先度の高い対象者から作成に取り組むよう市町村へ働きかけている。

罹災証明の迅速化/効率的な住家被害認定

被災自治体の負担軽減のため、リモート判定等を活用して罹災証明を迅速に発行できる体制が重要である。効率的な住家被害認定に向け、県としてどのように取り組むのか。

答弁

(福祉保健部長)本県から支援職員を派遣している石川県能登町では、タブレット端末を用いた被災家屋調査が行われている。また国の運用指針では、航空写真等を活用して一見して全壊と判定できる場合には、現地調査を経ずに被害区分を判定することも可能である。県としては、輪島市や能登町など被災地の事例で得られた知見を県内市町村と共有し、県内で災害が発生した際に迅速に調査を実施できる体制を整えていく。

災害対応におけるドローン活用と整備計画

災害箇所と規模の迅速把握は重要であり、県として道路・山腹崩壊等の被災状況調査に係る支援体制をどう整えるのか。今後のドローン整備計画はどうするのか。

答弁

(県土整備部長)県土整備部ではドローンを各建設部等に配備し、道路・河川など公共土木施設の被害状況の詳細確認等に活用している。南海トラフ地震等の大規模災害時に市町村から調査要請があった場合は、連携して県保有ドローンによる調査を行うなど地域支援に努めていく。加えて、迅速な初動対応確保と二次災害リスク回避のため、レベル3.5やレベル4飛行に向け、職員の操縦ライセンス取得や長距離飛行が可能な機体導入の手続を進めている。

世界遺産(熊野古道)登録20周年

過去20年間の取組と評価

世界遺産登録以降の受入れ整備や海外向け発信を含む、この20年間の県の取組とその評価をどう考えるか。

答弁

(商工観光労働部長)県は社寺・地元市町・関係団体と協働し、案内板・公衆トイレ整備、二次交通の多言語化、語り部育成、ルートマップ作成、スタンプを活用した押印帳展開など受入れ体制を整備してきた。あわせて、国内外メディアでの情報発信や旅行会社への商品造成の働きかけにより継続的に誘客してきた。
保全面では参詣道の道普請を実施し、企業CSRや教育旅行等で延べ約600の企業・団体、3万7000人超が参加している。2004年と2019年を比較すると関係市町の外国人宿泊客数は6倍以上に増加し、地域の誇り・愛着の醸成や、伝統文化発信・おもてなし・保全活動など地域の魅力向上につながる取組が広がっている。今後も関係者と一丸となって魅力に磨きをかけ、誘客に取り組んでいく。

20周年を契機とした特別企画と「聖地リゾート!和歌山」ブランディング

世界遺産登録20周年を契機とした特別企画や、「聖地リゾート!和歌山」のブランディングに関し、県は今後どのように取り組むのか。

答弁

(知事)20周年に向けた機運醸成として、京都・城南宮で熊野御幸を再現した出立式を皮切りに、熊野古道紀伊路のリレーウオークを実施してきた。2024年2月には東京・秋葉原で三重県・奈良県の両知事とともに「20周年記念サミット」としてプロモーションを行い、メディアや旅行事業者へ訴求している。
来年度(20周年の登録月である7月以降)はJR西日本等とタイアップした誘客キャンペーンを実施し、熊野三山を目指す中辺路リレーウオークや到着セレモニー等の特別イベントを行う予定である。あわせて、京都城南宮から熊野三山までゆかりの名所を巡る仕掛けづくりや、県立博物館で熊野・高野の名宝を展示する特別展を開催する。世界遺産社寺の特別企画、地域イベント、県内各地の体験メニュー等を含め、県内全域で一体となって魅力を発信し、国内外からの誘客を進め、「聖地リゾート!和歌山」のイメージ定着を図っていく。

熊野白浜リゾート空港の利用拡大

空港利用促進策と滑走路延伸に向けた検討

佐賀空港の利用拡大策(レンタカー施策やセールスチーム等)を視察した。本県における熊野白浜リゾート空港の利用促進への取組はどうするのか。

答弁

(県土整備部長)南紀白浜空港は本年1月10日に「熊野白浜リゾート空港」と愛称を設定しており、今後は知名度向上を図って国内外からの誘客を促進していく。2024年度は、東京羽田便の需要喚起や国際チャーター便誘致を強化するとともに、空港連絡バス導入などアクセス改善、愛称命名式典の開催、愛称看板・標識整備を行うことを考えている。加えて、東南アジア便や大型機を円滑に受け入れるため、滑走路延伸に向けた調査分析を実施したいと考えており、空港利用促進に係る予算を増額して提案している。引き続き官民連携で空港活性化に取り組んでいく。

海外の友好都市との交流/留学生・外国人材

友好都市等との交流の現状と今後の目的・方針

インド訪問等を踏まえ、県における海外友好都市との交流の現状と、今後の目的・方針をどう考えるか。

答弁

(知事)県は地方政府を提携先とする6つの友好提携と、交流分野を特定して中央政府等を提携先とする18の覚書を締結している。交流が形式的にとどまらないよう、人的交流・経済交流等で互恵的かつ実質的な交流となるよう取り組んでいる。覚書締結に当たっては相手を国レベルに限定せず、地方自治体レベルも含め成果が得られる相手との交流を進めてきた。これまでの長年の人的交流の蓄積が基盤であり、県の国際交流は対外的にも評価されている。今後は県が優先的に動いて新しい交流を生みつつ、中小企業を中心としたビジネスミッションも併せて行い、県内企業のビジネスチャンス拡大にもつなげたい。引き続き、友好提携や覚書を通じてネットワークと信頼関係を深め、交流の実利を創出していく。

留学生の受入れ拡大(高校生を含む)

インド等との交流を踏まえ、和歌山でも農業・観光・医療・看護介護等で留学生受入れが可能ではないか。今後の計画をどうするのか。

答弁

国は2033年までに留学生を40万人に増やす方針である。県内では2023年11月1日現在、大学等で留学生約650人を受け入れており過去最高となっている。留学生が卒業後に県内企業へ就職すれば、海外との商取引の円滑化等を通じて人手不足が深刻な県内企業の貴重な戦力になり得ると考えている。このため県は、知事等が友好提携国を訪問する際に県内教育機関・企業とともに現地大学や日本語学校を訪問し、優秀な学生に留学先として和歌山を選んでもらう取組を進めている。今後も覚書・友好提携の強みを生かし、他府県事例も研究しながら、教育機関の意向も踏まえて高校生も含めた受入れを検討し、留学生受入れを積極的に進めていく。

外国人材受入れの方針

技能実習制度等の見直しも進む中で、県として外国人材の受入れをどのような方針で進めていくのか。

答弁

(知事)県内産業の維持発展のため、外国人材の受入れ促進は不可欠であり、就労・生活の場として選ばれる環境整備が急務である。県はベトナムやタイの大学と連携したジョブフェア開催、来日済みの留学生等向け交流会や合同企業説明会を通じて、県内企業の魅力や県内で働くメリットの周知に努めてきた。来年度当初予算案では、外国人材と企業のマッチング支援、相談・手続支援を行うサポートデスク設置、受入れ企業の職場環境整備への補助、日本語学習支援等により、安定的な受入れと定着を図る事業を提案している。外国人材を一時的な労働力としてではなく仲間として受け入れ、多文化共生社会の実現を通じて県全体の活性化につなげていきたい。加えて、県立高校にアジアから留学生を受け入れる可能性も検討しており、来年度に制度設計を行い、できれば再来年度予算での計上を目指して検討していく。

議事録

議事録(和歌山県議会HP)へリンク

https://www.pref.wakayama.lg.jp/gijiroku/d00217328.html#r06_2gikai_05gou_01