2025年(令和7年)2月議会 予算特別委員会

2025年(令和7年)2月議会 予算特別委員会における質問と答弁の要旨を掲載します。

1 能登半島地震の検証について

(1)避難所の運営等のあり方

避難所の環境改善(トイレ、食事、ベッド等)に資する物資・資機材の充実と、支援・介護が必要な被災者の速やかな2次避難に向けて、県と市町村の役割分担を含め、今後どのように取り組むのか。

答弁

(河野危機管理部長)災害関連死を防ぐ観点から、避難所の環境改善が重要だと考えており、スフィア基準を目標に、衛生的なトイレ、温かい食事、ベッド等の居住環境の整備を進めていく。
トイレカーや既設トイレの活用、簡易トイレの備蓄等により衛生的なトイレを確保し、栄養バランスに配慮した温かい食事の提供体制を構築し、体育館等の冷暖房設備整備や水循環型シャワー設備の備蓄等について、県と市町村が連携して充実を図っていく。
能登で2次避難が進みにくかった要因として、福祉避難所の被災や代替施設の確保困難、移動支援体制が整わなかったこと等が考えられる。市町村では2次避難所や移動手段の確保が必要であり、市町村圏域を越える避難が必要な場合の受入や移動調整等は県が担うべきだと考えており、市町村とともに検討していく。
被災者の目線に立ち、避難所環境の改善と円滑な2次避難に向けた取組を進めていく

(2)災害時の市町村のサポート体制

大規模災害時に市町村が人員不足で機能不全に陥ることが想定される中、市町村への応援職員派遣体制はどうなっているのか。また、市町村の災害対応をマネジメントできる人材を含め、応援職員の災害対応能力向上に向けてどのように取り組むのか。

答弁

(河野危機管理部長)南海トラフ地震等の大規模災害時には人員不足により被災市町村が機能不全となり、災害応急対策の実施が困難になることが想定される。
県は従来から、市町村災害対策本部での情報収集や避難所運営を支援する「災害時緊急支援要員」、災害廃棄物処理を支援する「災害廃棄物処理支援要員」、住家被害認定業務を支援する「住家被害認定士リーダー」を制度化し、支援体制を整備している。能登への応援派遣を踏まえ、発災初動では災害対応のノウハウを有する県職員を派遣し、市町村災害対策本部等の機能維持を支援することが重要だとあらためて認識している。
国の災害マネジメント総括支援員研修等を活用し、被害状況把握、業務進行管理、適正な人員配置調整等について市町村に助言できる職員を育成し、平時から研修や訓練を通じて、県庁全体の災害対応力を強化していく。

災害救助法適用時は都道府県が実施主体である一方、事務委任により実務が市町村任せになりがちな点や、県が後方支援にとどまる姿勢が課題だとの指摘があるとして、県にはもう一歩踏み込んだ対応をお願いしたい。避難所運営等を想定した研修では、県職員が現場の担当者・責任者の立場に立って検証する等、より実践的に「地域担当になったつもりで考える」取り組みもお願いしたい。

2 難病患者の就労について

(1)県職員採用試験における難病患者枠

山梨県が難病患者の就労促進のため、障害者枠とは別に難病患者を対象とした採用枠を新設した事例を踏まえ、和歌山県でも難病患者を対象とした県職員採用枠を導入できないか。

答弁

(岸本知事)県では難病患者のみを対象とした試験は現在行っていないが、障害者手帳を取得している難病患者は、毎年実施している障害者枠の採用試験をすることが可能である。採用後は試験区分に関わらず、配慮が必要な職員にはできる限り必要な配慮を行い、安心して働けるようにしている。
率先垂範の立場から障害者雇用に前向きに取り組むことが重要だと考えており、難病患者も含む障害のある方を対象とした県庁インターンシップを毎年実施している。難病患者のみを対象とした採用枠は、県庁が掲げるDEIの観点から望ましいと考えている一方で、まず障害者枠で採用された職員が生きがい・やりがいを持てる職場になっているか等、ウェルビーイングの観点で点検したい。
来年度に庁内ワーキングチームを作り、障害者枠職員がウェルビーイングに働ける環境整備を第一歩として進め、その取組と並行して難病患者枠についても前向きに検討していく。

職場環境整備に加え、テレワーク等も考慮しながら受入・対応をお願いしたい。

3 旧田辺市内の河川整備について

(1)河川の浚渫(緊急浚渫推進事業債)

河川浚渫のための「緊急浚渫推進事業債」について、活用状況と今後の見通しはどうか。

答弁

(福本県土整備部長)県管理河川ではこれまでに138河川で事業債を活用しており、旧田辺市内では左会津川など5河川で活用しており、地域の安全安心につながる重要な事業だと認識している。本事業債は2020~2024年度の時限措置で今年度が最終年度であるため、次年度以降も継続するよう国に要望してきた。昨年12月に対象期間を5年間延長する方針が示され、関連法案が国会で審議中だと承知している。延長された場合は引き続き積極的に活用し、堆積土砂の撤去等を進め、河川の適切な維持管理に努めていく。

(2)河川整備計画策定河川の進捗状況・計画見直し

左会津川水系や芳養川水系など、従来から河川整備計画を策定している河川の進捗状況と、今後の計画変更(見直し)をどう考えているか。

答弁

(福本県土整備部長)左会津川水系は2003年策定の河川整備計画に基づき下流から順次整備しており、旧会津橋から高雄大橋まで約1kmの整備が完了している。現在、左会津川は国道42号田辺バイパス付近で両岸の築堤工事を進め、支川の右会津川では右岸の築堤工事を進めている。
芳養川水系は2014年策定の河川整備計画に基づき下流から順次整備しており、脇田橋から古井橋まで約1.3kmの整備が完了している。現在、古井橋上流で大井頭首工の改築工事および堂前橋の架け替え工事を進め、加えて護岸工事の発注手続を進めている。
河川整備計画の変更については、完成の目途が立ってきた左会津川水系を念頭に、計画区間内の残る河川改修が完了後、切れ目なく整備を進められるよう、上流へ延伸する方向で検討している。
補正予算等も含めた様々な機会を通じて予算確保に努め、早期完成に向けて事業を進めていく。

4 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」について

(1)世界遺産の追加登録について

未登録の熊野参詣道など、世界遺産にふさわしい資産の追加登録について、今後のタイムスケジュールや追加登録範囲をどのように考えているか。

答弁

(宮﨑教育長)「紀伊路」は未登録だが熊野参詣道の一部を構成し、残る参詣道や王子跡は既登録資産と同等の価値があると考えている。中辺路・大辺路や高野参詣道にも未登録資産が残っており、道としての連続性を高めていくことが重要だと考えている。登録には国の法律による保護措置が必要であるため、市町の意見を聞きながら追加候補地を選定し、国史跡への追加指定に取り組んでいく。
追加登録は奈良県・三重県との協調が必要であり、三県で協議してスケジュールを定め、関係市町とも情報共有し、機運醸成にも取り組んでいく。

(2)世界遺産の価値を発信し後世に継承するための取組について

世界情勢が不安定化する中、世界遺産の意義(国際平和・相互理解)を踏まえ、「紀伊山地の霊場と参詣道」の本質的価値をより一層発信し、地域文化の理解につながる形で後世に継承していく取組をどう進めるのか。

答弁

(岸本知事)「紀伊山地の霊場と参詣道」は霊場と参詣道、周辺の文化的景観が評価され登録された世界遺産である。自然崇拝と仏教の融合により形成された神仏習合に象徴される寛容の精神は、ユネスコの平和理念にも通じるものだと考えている。
本県の豊かな精神性を含めた世界遺産の価値を国内外へ発信し、多くの方に来てもらい、地域文化を理解してもらえるよう努力していく。環境保全に加え、語り部等のガイド養成や、次世代を担うこども向け教育プログラムの充実等により、良好な状態で後世に引き継いでいくよう努力していく。

紀伊半島には世界エコパークや世界ジオパーク(認定予定)もあり、世界遺産とあわせて「世界平和の聖地」として類のない価値になり得る。知事には三県の中でリーダーシップを発揮し、世界に向けてより一層紀伊半島の魅力を発信してほしい。
今回、災害の関係と観光の話を質問したが、行政の縦割りを横断して施策を組み立てる観点から、災害時にはトレーラーハウス等を仮設住宅として活用できるよう平時からストックし、平時は観光需要(宿泊)に活用するなど、PFI等も含めた仕組みづくりを行い、観光需要にも耐えられ、災害対策にも対応できるようになったら良いと思う。

議事録

議事録(和歌山県議会HP)へリンク
令和7年2月和歌山県議会予算特別委員会会議記録(総括質疑1日目)

https://www.pref.wakayama.lg.jp/gijiroku2/d00220427.html